ワイルド・サイドを往く

”自分の”、”””””自分の”””””思った事を書く場所。好きな事や嫌いな事、コンテンツへの感想や思った事、気になってること、なんとなくもやもやしていること、果ては常人やそれに近い人が見るとウワァと思うであろうこと。人より文章の質や洞察力が劣ったものが出てもそれは仕方がないとして下手な背伸びはせずに書いていく。

リーサル・ソルジャーズ(All the Devil's Men)ネタバレなし感想

 一見パッとしないタイトルだし、実際何も知らない時はアマプラで見かけてもさほど気に留めていなかったが、とある情報を目にして視聴を決めた。

 

 一部のガンアクション好き、ミリオタ、銃オタク辺りはひょっとしたら知っているであろう「The Veteran」の監督が撮っている映画だったのだ。日本では未公開だし日本語版すらないのだが、リアルでクールなAR-15によるガンファイトシーンのムービークリップが巷で話題になり、俺もそれでこの映画の存在を知っていた。

 

 そういった事から、「かっこいいガンファイトが見たい」という目的や期待を持った方には、十分オススメできる映画だ。

 

 タッグによる銃撃戦での連携描写が最高にかっこいい。飛んだり跳ねたりといったド派手さはないが、「プロの戦い」を役者の動きやキャラクターの行動で描かれることで堅実でクールなかっこよさがある。例えば「片方が援護射撃をして、もう片方が移動。それを交互に繰り返して敵に攻撃させずに移動する」という、「援護射撃(制圧射撃)」というものを丁寧に映しており、ガンアクションというよりもガンファイトをリアルに映している。

 

 撃つ瞬間の構えた姿をしっかり映し、撃ってから射手と狙う先を一枠に収め、「誰が何を狙っている」のかが分かりやすく、またそれによって相手がひるむのもバッチリ映すため、特にわかりやすい会話がなくとも、「その銃撃や戦闘で何を目的としているのか」が理解しやすい。「敵を撃たない銃撃」の意味をしっかり事象に表してるので、銃や銃撃戦に詳しくなくとも、戦闘状況やそれぞれの目的は分かるはずだ。

 

 ジョン・ウィックシリーズもそうだが、最近のアクション洋画は「闘う姿のかっこよさと戦闘状況の分かりやすさ」を意識してる映画が増えてて嬉しい。もちろんこの映画も例に漏れていない。

 

 あえて悪く言えば地味なアクションと言えなくもないかもしれないが、この「リアルなガンファイト」が映画全編に一貫して存在する緊張感、シリアスさと非常にマッチしてて、ザックリ言うなら静かでシリアスなかっこよさがある。「ボーダーライン」や「ゼロ・ダーク・サーティ」みたいな雰囲気と似てるともいえるだろうか。

 

 さらに言うなら、主人公サイドも敵も作中はほとんど銃にサプレッサーをつけており、銃撃戦は比較的静かなものが多い。これもある意味珍しい特徴と言えるが、ただ珍しいだけじゃなく展開の緩急にも一役買っているのがなんとも構成としてニヤっとできる。

 

 ストーリーは、そういったかっこいいガンファイトたちをいかにして繋がっていくかの理屈付けのためにあると捉えて見た方が、少なくともガッカリはしないと思う。邦題や原題である程度想像できる通り、勧善懲悪、エンタメ的なカタルシスみたいなものはほぼないと言っていい。タイトル通り、これは死の兵士たちが、悪魔共が殺し合いをするさまを描いた映画だ。

 

 

 ……こういう誰に見せるというわけでもないブログでネタバレのない感想なんか書いてもしょーがねーだろとはここまで書いてて自分で思ったんだが、なんというかネタバレを含めて書くほどストーリーに関して言いたいことはあまりなかった。とはいえコンテンツの感想を書く癖をこうして少しずつでもつけていきたいな。